プロンプト技術

日本語プロンプトの注意点主語の省略・敬語・あいまい表現と伝わる書き方

日本語は、主語の省略や文脈依存の表現が多く、AIへの指示では誤解が生まれやすい言語です。主語・目的語の明示、あいまいな表現の言い換え、敬語とトーンの指定、トークン数への影響、英語との使い分けを具体例で整理します。

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日本語プロンプトの注意点とは

現在の主要な生成AIは、日本語でも十分に使えます。ただし、日本語には、主語の省略、あいまいな言い回し、文脈への依存といった特徴があり、人間同士なら通じる指示が、AIには意図と異なる解釈をされることがあります。日本語ならではの注意点を知り、明確で、解釈が一つに定まる書き方を心がけると、精度が上がります(プロンプトの基本)。

日本語の特徴と、起こりやすい誤解

特徴 起こりやすい問題
主語・目的語の省略 「これを直して」の「これ」が何か、AIには不明
指示語(これ・それ・あれ)の多用 何を指すかが曖昧
あいまい表現 「いい感じに」「適当に」「ちょっと」の基準が不明
否定や婉曲な表現 「〜してもらえると嬉しい」が、依頼か希望か不明確
同音異義語・多義語 文脈が不足すると、意味が取り違えられる
敬語・口調の多様さ 望むトーンが伝わらない

主語・目的語を明示する

曖昧な指示 明確な指示
「これを直して」 「以下のメール本文の、誤字脱字と不自然な敬語を直してください。」
「もっと短く」 「上の文章を、意味を変えずに、半分の長さにしてください。」
「それをまとめて」 「上記の議事録を、決定事項・未決事項・担当者の3項目にまとめてください。」

「何を」「どうする」を、省略せずに書くのが基本です。

あいまいな表現を具体化する

あいまい 具体的
「いい感じに」 「読みやすい見出しを付け、1段落は3文以内に」
「簡単に」 「専門用語を使わず、中学生にも分かる言葉で」
「詳しく」 「背景、理由、具体例の3つを含めて、500字程度で」
「ちょっと」 「2〜3か所の修正だけ」
「自然に」 「話し言葉に近い、親しみやすい文体で」

敬語とトーンの指定

方法 例
文体を指定 「です・ます調で」「だ・である調で」
丁寧さを指定 「ビジネスメールの標準的な丁寧さで」「社外の目上の方向けの、最大限丁寧な表現で」
読み手を指定 「小学生に話しかけるように」
雰囲気を指定 「親しみやすく、堅すぎない」
避ける表現 「過度な謙譲表現(させていただく)は、多用しない」

日本語の敬語は、場面と相手によって、適切な形が変わるため、相手との関係と場面を、プロンプトに書くと、的確な文面が出ます。

指示の言語

選択 特徴
日本語で指示 自然に書ける。ニュアンスを正確に伝えやすい
英語で指示 モデルによっては、指示の理解が安定する場合があるとされる。トークン数も少なくなりやすい(日本語とトークン数)
混在 指示は英語、出力は日本語、と指定することも可能

近年のモデルは、日本語の指示でも十分に高い精度を示すことが多く、まず日本語で書いて試すのが自然です。英語への切り替えは、効果を確かめたうえで判断します。出力言語は、明示的に指定します(「日本語で回答してください」)。

日本語で注意したい、出力の問題

問題 対策
不自然な翻訳調 「自然な日本語で」と指示し、文体の例を示す(Few-shotプロンプト)
固有名詞・専門用語の誤り 用語集を渡す。確認を前提にする(ハルシネーション)
文字数のずれ 厳密な文字数は、出力後に確認する
敬語の誤用 場面と相手を明示し、確認する
古い慣用表現 現代的な言い回しを指定する
全角・半角、記号の扱い 形式を指定する

日本語プロンプトの注意点の具体例

「お客様に、納期遅れのお詫びを書いて」だけだと、トーンや内容が定まりません。次のように書くと、意図に近づきます。

「取引先の担当者(20年来の付き合い)に宛てて、納期が3日遅れるお詫びメールを書いてください。原因は、部品の入荷遅れです。新しい納期は、5月20日。誠実で丁寧、ただし過度にへりくだらないトーンで、300字程度にしてください。」

日本語プロンプトの注意点のFAQ(よくある質問)

Q. 日本語より、英語で指示したほうが精度は高いですか?
A. モデルによっては差がある場合もありますが、近年は日本語でも十分な精度が出ます。自分の課題で試して判断してください。

Q. 敬語は、毎回指定が必要ですか?
A. 毎回書くのが面倒なら、システムプロンプトやテンプレートに書いておきます(システムプロンプト、プロンプトテンプレートの作り方)。

Q. 方言や口語は、使えますか?
A. 使えますが、意図が正確に伝わるかは確認してください。

筆者の見解(日本語プロンプトの注意点)

日本語の「察する」文化は、人間同士では美徳ですが、AIには「察してもらえない」ことを前提にするほうが、うまくいきます。省略を補い、あいまいさを具体化するという作業は、AIのためだけでなく、自分の考えを整理する練習にも、なります。「誰が読んでも同じ意味になる文章を書く」ことを意識するだけで、プロンプトの質は大きく変わります。

日本語プロンプトの注意点の関連項目

出典(一次情報)

本記事は一般的な情報の提供を目的としています。AIのサービス・機能・料金・仕様は頻繁に更新されるため、最新の内容は各社の公式ドキュメントでご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。