生成AIの仕組み

日本語とトークン数日本語が英語よりトークンを多く使う理由と費用・上限への影響

日本語の文章は、同じ内容でも英語よりトークン数が多くなる傾向があります。トークナイザーの仕組み、日本語で分割が増える理由、費用・上限・速度への影響、実測の方法、プロンプトの節約術と近年の改善動向を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

日本語とトークン数とは

生成AIは、文章をトークンという単位で処理します(トークンとは)。日本語は、英語と比べて、同じ内容を表すのに、より多くのトークンを使う傾向があります。そのため、API利用時の費用、一度に扱える入力の上限、応答の速度に影響します。ただし、モデルによる差も大きく、一律の換算はできません。

トークナイザーの仕組み

トークナイザーは、文章をトークンに区切るルール(辞書)です。学習データの中で頻繁に出現する文字列を、まとまりとして登録する方式が一般的です(バイトペア符号化(BPE)などの手法)。

特徴 内容
頻出の語は1トークン 英語の “the” や “tion” などは、1つのトークンになりやすい
珍しい語は分割される 登録されていない文字列は、より小さな単位に分割される
バイト単位への分割 未知の文字は、最終的にバイト単位まで分割され、あらゆる文字を表せる

日本語でトークン数が増えやすい理由

理由 内容
文字の種類が多い ひらがな・カタカナ・漢字があり、文字の種類が非常に多い
学習データの偏り 学習データに占める英語の割合が高いと、英語に最適化された辞書になる
単語の区切りがない 日本語は、スペースで単語が区切られず、分割が複雑
漢字の分割 珍しい漢字は、複数のバイトに分割され、複数のトークンになる

この結果、日本語では、1文字が1トークン以上になることもあり、同じ意味の英文より、トークン数が1.5倍〜数倍になる場合があります。倍率は、モデル・文章の内容によって大きく異なります。

近年の改善

モデルの世代が進むにつれて、日本語を含む多言語に対応した辞書が整備され、日本語のトークン効率が改善しているモデルもあります。一方で、提供元・モデルによって差があり、トークナイザーの変更で、同じ文章のトークン数がかえって増えることもあるため(Anthropicは、Claude Opus 4.7以降のトークナイザーでは、同じトークン数に収まる英単語数が以前より少なくなると案内しています)、使うモデルで実測するのが確実です。

影響が出る場面

場面 影響
API料金 日本語は同じ内容でも、費用が高くなることがある(トークン料金の計算)
入力の上限 日本語の長文は、上限に達しやすい(コンテキストウィンドウ)
応答速度 出力が長いほど時間がかかる
長い履歴 会話の履歴も毎回カウントされる

実測の方法

方法 内容
提供元のトークナイザーのツール Webで、文章を貼り付けてトークン数を確認する
APIのトークン数カウント機能 送信前にトークン数を取得できる場合がある
応答の利用量情報 応答に、使ったトークン数が含まれる
サンプルでの比較 実際に使う文章(数十件)を測り、平均を出す

節約の工夫

工夫 内容
簡潔に書く 不要な前置き、重複した説明を削る
必要な部分だけを渡す 長い資料は、関連部分に絞る(チャンク分割、RAG(検索拡張生成))
出力の形式を絞る 「箇条書きで3点」など、長さと形式を指定する(出力形式の指定)
キャッシュの活用 繰り返し使う長い指示を、キャッシュする(プロンプトキャッシュ)
システムプロンプトの整理 常に送る指示を、必要最小限に(システムプロンプト)
英語の指示と日本語の出力 指示を英語にする方法もあるが、品質への影響を試して判断する

指示を英語にする方法は、トークン数は減らせても、日本語の出力品質や意図の伝わり方が変わることがあるため、検証してから採用します。

日本語とトークン数の具体例

同じ内容の、日本語と英語の短い説明文を、あるモデルのトークナイザーで測ったとき、日本語のほうが1.5倍ほどのトークン数になった、という結果が出ることがあります。大量の日本語文書を処理する前に、サンプルで実測して、費用の見積もりを立てると、予算の見通しが外れにくくなります。

日本語とトークン数のFAQ(よくある質問)

Q. 日本語は、必ず英語より高くなりますか?
A. 傾向としてはそうですが、モデルにより差があり、改善も進んでいます。実測で確認してください。

Q. 文字数でトークン数を推定できますか?
A. 大まかな目安は立てられますが、正確ではありません。重要な見積もりでは実測してください。

Q. 日本語に強いモデルは、トークン効率が良いですか?
A. 日本語の学習が手厚いモデルは、日本語のトークン効率が良い傾向があります。

筆者の見解(日本語とトークン数)

トークンは、「AIにとっての文字数」だが、人間の感覚の文字数とはずれる、という点を理解しておくと、日本語での設計の失敗を避けられます。小さな実験で実測する習慣さえあれば、数字に振り回されません。特に、大量処理や常時稼働のサービスを作るときは、早い段階での実測を強くおすすめします。

日本語とトークン数の関連項目

出典(一次情報)

本記事は一般的な情報の提供を目的としています。AIのサービス・機能・料金・仕様は頻繁に更新されるため、最新の内容は各社の公式ドキュメントでご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。