プロンプト技術

Few-shotプロンプトとは例を示してAIに出力の型を覚えさせる方法

Few-shotプロンプトは、指示に加えて、望ましい入力と出力の例を数個示す手法です。効果が出る場面、例の選び方と個数、書き方の具体例、よくある失敗、ゼロショットとの使い分け、例が出力に影響しすぎる問題への対処を整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

Few-shotプロンプトとは

Few-shotプロンプト(few-shot prompting、数例提示)は、指示に加えて、「こういう入力には、こういう出力」という例を、数個示す手法です。言葉で説明しにくい形式・文体・判断の基準を、例を通じて伝えられます。2020年のGPT-3の論文で、大規模言語モデルが少数の例から課題を学べる(in-context learning)ことが示され、広く知られるようになりました(大規模言語モデル(LLM)とは、Zero-shotプロンプト)。

例を示すと何が良いのか

利点 内容
形式を揃えられる 出力のフォーマットを、例どおりに揃えやすい
文体・トーンを伝えられる 言葉で説明しにくい雰囲気を、例で示せる
判断の基準を示せる 分類やラベル付けの境界を、例で明確にできる
指示を短くできる 長い説明より、例のほうが早い場合がある

書き方の例

感情の分類(ポジティブ/ネガティブ/中立)を、決まった形式で出力させたい場合:

次のレビューの感情を「ポジティブ」「ネガティブ」「中立」のいずれかで答えてください。

レビュー:配送が早くて助かりました。
感情:ポジティブ

レビュー:説明書の内容が分かりにくかったです。
感情:ネガティブ

レビュー:普通でした。
感情:中立

レビュー:思っていたより小さかったが、品質は良い。
感情:

最後の「感情:」の後を、AIが続けて出力します。

例の選び方

ポイント 内容
多様性 異なるパターンを含める(すべて似た例だと、偏る)
代表性 実際に起こりうる入力に近い例を選ぶ
境界事例 判断が難しいケースも1つ入れる
正確さ 例の出力は間違いがないように(誤りも学習される)
一貫性 形式・書き方を例の間で揃える
個数 2〜5個程度が一般的(Anthropicのドキュメントでは3〜5個を推奨)。必要に応じて増減し、効果を確かめる

例を増やせば必ず良くなるわけではなく、質のよい少数の例が有効なことも多くあります。

よくある失敗

失敗 内容と対策
例に引きずられる 例の内容や言い回しを、そのまま真似してしまう。例の種類を増やす、「例は形式の参考。内容は入力に合わせて」と添える
例の偏り 全てが同じラベルだと、その答えに偏る。ラベルのバランスを取る
例の誤り 例の誤りが再現される。例を見直す
区切りが不明確 例と本番の入力が混ざる。見出しやタグで区切る(XMLタグで構造化する)
長すぎる 例が多すぎると、費用と処理が増える

Zero-shotとの使い分け

方式 内容 向く場面
Zero-shot 例なしで指示だけ(Zero-shotプロンプト) 一般的な課題、指示だけで伝わるとき
One-shot / Few-shot 1個〜数個の例を示す 形式や判断基準を、揃えたいとき
多数の例 数十〜数百の例 複雑な課題、ファインチューニングの代替(ファインチューニングの考え方)

最近のモデルは、指示だけでも高い精度を出すことが多く、まずZero-shotで試し、足りなければ例を足すのが効率的です。

具体例:メールの返信文のトーンを揃える

返信メールを作るとき、「丁寧だが簡潔」というトーンを言葉で説明するより、過去に自分が書いた、気に入っている返信を2〜3通、例として渡すほうが、再現性が高まります。ただし、個人情報や機密情報は、例に含めないよう注意してください(個人情報と生成AI)。

Few-shotプロンプトのFAQ(よくある質問)

Q. 例は、何個が最適ですか?
A. 課題によります。2〜5個から試し、改善が見られるか確認します。

Q. 例を入れると、費用が増えますか?
A. 入力トークンが増えるため、費用も増えます(トークン料金の計算)。繰り返し使う例は、キャッシュの活用も検討できます(プロンプトキャッシュ)。

Q. 例の順番は影響しますか?
A. 影響することがあります。最後の例に引きずられる傾向が報告されているため、順序を変えて試す価値があります。

例を作るときの手順

自分の課題に合わせた例を作るときの手順です。

  1. まず、例なしで1度実行し、うまくいかない点を確認する。
  2. 実際の入力から、代表的なものを2〜3件選ぶ。
  3. それぞれに、自分が理想とする出力を手書きで用意する。
  4. 例を指示に加えて再実行し、出力が揃うかを確かめる。
  5. まだずれるなら、ずれた入力を新しい例として追加する。

「うまくいかなかった入力を、次の例にする」という繰り返しで、少ない例でも精度が上がっていきます。

筆者の見解(Few-shotプロンプト)

Few-shotは、「言葉で説明しにくいことを、見本で伝える」という、人間の教え方に近い手法です。細かい文章指示を書くのに疲れたら、「良い例を1つ見せる」ほうが、早くて確実なことがあります。ただし、見本はそのまま真似されるため、見本の質と多様性に気を配ることが、成功の鍵です。

Few-shotプロンプトの関連項目

出典(一次情報)

本記事は一般的な情報の提供を目的としています。AIのサービス・機能・料金・仕様は頻繁に更新されるため、最新の内容は各社の公式ドキュメントでご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。